徳島労連NEWS  (第110号)    2004年1月15日  <<back next>>
04春闘始動 年金・憲法の危機に立ち向かおう!
春闘討論集会・旗開きを開催
 1月10日、31組織・74名が参加し04国民春闘討論集会が開催されました。討論集会では、見田治代表委員の挨拶に続いて、中央春闘共闘の木下芳宣氏が「許すな!雇用・賃金破壊、守ろう平和憲法」「春闘で明日を変える未来を開く」と題する基調講演、さらに特別報告として、(1)独立行政法人化とのたたかいと組織拡大(徳島大学教職員組合・中嶋信氏)(2)男女共同参画会議と揺れ戻し攻撃について(徳島労連女性部長・松田悦子氏)(3)徳島労連がめざす組織拡大について(徳島労連事務局長・森口英昭氏)の3つの報告を受け10人が発言・討論参加するなど活発に意見・交流がなされました。

 討論集会後、徳島労連の旗開きが開催され54名が出席。日本共産党の久保孝之参議院予定候補、林伸豪弁護士、石川浩県社保協会長、服部敏彦徳島健康生協理事長など政党・労働弁護団・民主諸団体の激励をうけ、くらしと平和の危機に立ち向かう新たな決意を固めました。


ご挨拶
新年明けましておめでとうございます。

 今年は年頭から、自衛隊のイラク派兵、年金大改悪など、平和とくらし破壊に全力で立ち向かうことが求められています。憲法9条を投げ捨て、アメリカに追随する同盟強化が国益だとする政府・与党に対し、私たちは、憲法9条こそ、日本が世界に誇るアイデンティティーであり、この憲法の平和主義を生かすことこそ日本の何よりの「国益だ」と言うことをしっかり押さえてたたかいを進めたいと思います。今月19日から第159通常国会が開かれます。この国会では、イラク派兵とあわせ、憲法の改悪を具体的に進める「国民投票法案」が俎上に上っています。まさに、日本の平和の在り方が鋭く問われる年です。

 最近、景気が上向きになってきたなどの観測が出始めています。確かに大企業は急速に業績を回復し史上最高の「利益」を出しています。しかし、業績を回復しているのは労働者を大量に減らしている大企業であり、労働者と中小企業の犠牲の上に利益を上げている結果に他なりません。経団連は露骨に春闘つぶしを進めていますが、春の賃上げ闘争は厳然として存在し、たたかう労働組合の役割はますます重要です。国民春闘の旗を高く掲げて奮闘しましょう。

徳島労連議長 見田 治


04新春討論ざっくばらん
メンバーの紹介
由岐中 幸子さん 丸山 正晶さん 黒川 威さん 明野 君代さん 桐川 昌訓さん
徳島厚生連労組
由岐中 幸子さん
JMIU ST
丸山 正晶さん
県国公労連
黒川 威さん
鳴門市従労組
明野 君代さん
徳島建労
桐川 昌訓さん

トーク1 「今年をどんな年にしたいですか?」

由岐中 幸子さん
「まずは年金問題。全労連の提起している4・15ストができるかどうか。そこまでの議論をやっていきたい。」、「職場では、働くところがあるだけマシみたいな、情勢が厳しいから人がへらされてもしかたないみたいな、あきらめが蔓延している。そんな中で患者さんへのケアが落ちてる。かつてはそこが自慢であったのに。職場で話をしていきたい。でも議論する暇がない…。」

黒川 威さん
「5年連続で年収がマイナスになっている。私たちは公務員だが、今春闘では民間とともにたたかって、何としても6年連続マイナスを阻止したい。」、「この4月には、大学や国立病院の行政法人化が実施される。さまざまな問題が出てくる。大きな課題として、ひきつづきたたかっていく。」、「公務員改革法案の問題もある。年金問題はもちろん大きい。2月には学習会を計画している。」

明野 君代さん
「私は学校給食の調理員をしているが、鳴門市では学校給食のセンター方式が進められようとしている。いろいろな考え方があって難しいが、私たちは教育の一環としての学校給食を存続させたいと願い、運動を進めていきたい。」

由岐中 幸子さん
「給食と言えば、病院給食も治療の一環とみなされなくなろうとしている。」

桐川 昌訓さん
「私たちの一番の願いは雇用確保、仕事確保だ。不景気で一ヶ月に15日くらいしか働く現場がない。毎月毎月組合員が減っている。仕事がないから廃業したり、転職したりしているからだ。」、「行政には仕事をよこせ、具体的にはリフォーム助成制度の拡大と、地震対策をと要求している。地域の人々と一緒に考えるなかで、仕事の掘り起こしもしていきたい。」

丸山 正晶さん
「何と言っても組織拡大が必要だ。JMIUでは専従オルグを設置して、大阪や岡山で大きな組織拡大に成功しているが、徳島は停年退職などで減る一方だ。昨年、地域支部と言って一人でも入れる支部を結成した。退職しても組合活動ができる?」、「今春闘では、青年春闘が提起されている。今、最もひどい状態に置かれているのは実は若い人達だ。青年春闘を強く打ち出してたたかうなかで、若い人達にJMIUに入ってきてもらいたい。」

トーク2 要求をどのようにして前進させるか

桐川 昌訓さん
「年金問題は、制度を知ることが重要だ。知れば知るほど怒りが湧いてくる。労働組合が知るための場所を充分に提供できていないのかもしれない。」「年金のたたかいで、全労連は4月としているが、我々は2月決戦と位置づけている。3月、4月ではもう遅いと言われている。ここらはどうなんだろう?」

黒川 威さん
「労働組合が大きくならないと…、5%に満たない人数でいくら声をあげても情勢は変わらない。やれば変わるんだという運動ができれば良いのだが、今年は年金問題を中心にそうした運動ができるのではないか」、「公務員はリストラがないと言われてきたが、あるんですよ。大学の行政法人化では雇用形態も変えられるようだ。」

桐川 昌訓さん
「そんなことが勝手にできるのか?」

丸山 正晶さん
「そりゃできるでしょ。労使協定があるわけじゃないし、新たな法人になるんだから何でもできる。まず労働組合を作らないと…。」

明野 君代さん
「この間の交渉では、組合員に呼びかけてみんなで交渉に臨んだ。直接参加するなかで、もっとやらないかんかななど考えるし、意欲も湧くのではないか。結果を聞くだけでは…。」

由岐中 幸子さん
「支部の団交では、みんなが参加する。100人くらい。でも、支部交渉できてるところが少ない。」

桐川 昌訓さん
「読み合わせ資料というのを作っている。200人の役員で毎回読み合わせをする。いろいろなテーマで一回10分程度。読む人は分からん漢字を調べたりして一生懸命勉強している。子供から父ちゃんは組合活動でよく出ていくが、よく勉強していると、いわば誇りをもって活動できる。そうした学習をしていかないと、旗を振っても背後を見たら誰もいないといったことになる。」

黒川 威さん
「声をかけるだけで、後は知らないといったことではみんなの参加は得られない。細やかな活動を根気よく続けていかないと…。」

桐川 昌訓さん
「私たちの状況は、とにかく働く場所が欲しい。月に25日働きたい、それが第一で、賃金の高い安いはその次になっている。」、「しかし、苦労に苦労を重ねて組織拡大に取り組んでいる。今年の目標は確か800人くらい? その6割を昨年秋の拡大月間でやってしまおうと、毎週木曜に集まって誘いをしていった。たいへん多くの組合員が参加してくれて、結果として219人が加入してくれて、最盛期には及ばないが、昨年、一昨年を上回った。がんばればがんばっただけの成果があるんだというところを組合員に返していきたい。一時は10600人の組織だったが、現在は9300人。1万人回復をスローガンにしているが、なかなか回復できない。」

由岐中 幸子さん
「何年もやろうやろうといってできなかった勧誘パンフがやっとできた。青年部の活動も死んだ状態だったが、昨年から立ち直り、楽しい企画なんかも。」、「停年だけでなく、結婚や出産で退職することが多く、組織の拡大に力をいれないと…。」

丸山 正晶さん
「住宅地に労働相談のビラを時々まいているが、今のところ反応がない。」

明野 君代さん
「県本部のパンフを配布し、職場の知り合いを紹介してもらったりしているが、組織人員は減る一方だ。もっとがんばらねば…。」

トーク3 徳島労連に期待するもの

丸山 正晶さん
「これだけの活動をやっていく上で、県労連に専従が一人しかいないというのは、どう考えても無理があるのでは。その点でも組織建設基金の創設はこれからの運動に必要なことだが、現実に任意カンパを集めるのはたいへんではないか。」

「具体的にどれだけ集めるかという目標金額、それからそれぞれの組織でどうやって集めるかという議論をした方がやりやすいし、それによって方法も変わってくるのでは。任意でというのでは集まらない。」

桐川 昌訓さん
「やはり任意が良いと思う。意義をわかってもらわなければいけない。」

由岐中 幸子さん
「私、争議中はいろんな団体に次々と加入して、小さな負担も積み重ねるとたいへんだ。」、「徳島労連の企画などで、後から知ったらすごく良いものがあって、もっと早く知っていれば参加できたのにと思うことがある。」、「年金問題では、地域の人々にも知ってもらいたい。南部労連で、一般の人の参加できる学習会を企画している。でも講師をどうしようかと…。」

桐川 昌訓さん
「講師ならいつでも頼めますよ。私たちも連続した学習会を企画しているので…。」、「ローカルセンターとして、国民的課題への取り組みをいっそう強めてもらいたい。」

黒川 威さん
「地域労連の役割が重要になってくるのでは…。」

丸山 正晶さん
「その通りだと思う。しかし、現実にはかなり停滞しているように思う。活動の主体がしっかりしないと形だけになってしまう。」

明野 君代さん
「鳴門労連結成の話があるそうですが、まとめるのがなかなかたいへんなようで…。」

桐川 昌訓さん
「機関誌の定期発行をするべきだと思うが、できていないところが多い。」

イラク派兵反対でピースチェーン
 昨年の12月23日に有事法制反対徳島県連絡会が、JR徳島駅前で自衛隊のイラク派兵反対を訴えるピースチェーン(平和の鎖)を行いました。憲法に違反する自衛隊のイラク派兵に反対しようと約100人が参加しました。

 ビートルズの「イマジン」の曲を流し、「アメリカいいなりの外交やめよ」「憲法9条を守れ」などのシュプレヒコールや、ピースウェーブを起こして「この声をひろげましょう」と訴えました。