第15回定期大会     <<back next>>
 3.全労連第33回評議委員会決定と徳島労連のたたかい

 2003年7月23〜24日全労連第33回評議委員会において、「一年間の運動の到達点と今後の課題」が決定しました。徳島労連はこの全労連・評議会方針を基本にすえ、次のとおりたたかいをすすめます。

1)当面する賃金闘争と04春闘にむけて
 当面するたたかいとして、人事院は8月8日、民間労働者の賃金切り下げが続いているとして、03年度も年収平均16.3万円(2.6%)のマイナス勧告をおこないました。また、昨年同様「不利益遡及」の脱法行為をおこなっています。これに対し国公労連は、マイナス人勧の不利益遡及に対する「権利裁判」を実施していますが、徳島労連は、これら公務労働者の賃金切り下げに反対し賃金確定と不利益遡及反対の闘いを官民一体で支援します。
 03秋闘では、?年末一時金の獲得、?確定した地域最賃の「周知週間」の復活や違反実態の告発、?自治体の賃金確定闘争と結合した「公契約」運動での自治体に対する要請行動などに取り組みます。
 地域最低賃金の改善をめざし全力をあげて取り組みます。03年度徳島地域最低賃金は、徳島労連の異議申出により再審議されましたが、結果は時間額611円の据え置きとなりました。03年度「目安」について、使用者側が最賃額の引き下げを主張し、厚生労働省もこれに同調する動きをみせました。徳島労連は、当面の最賃要求として引き続き、時給1000円以上・日給7400円以上、月額15万円以上の最低賃金額の確立をめざし、最低賃金法の法本来の目的である「生活できる賃金」としての最低賃金の抜本的改善をめざします。また、地方最賃審議会に対して法の趣旨に反する引き下げは絶対に行わないことを要求して諸行動を展開します。最低賃金の抜本的改善のためにも、審議会の民主化を求め、審議会の公開・意見表明の場の提供・委員の民主的な選任などのたたかいをすすめます。
 財界は、「ベースアップは論外、賃上げ要求を掲げ実力行使を背景に闘う春闘は終焉した」と、春闘「解体」を露骨に宣言しています。また多くの大企業労組が、業績のV字回復にもかかわらず賃上げ要求を放棄する姿勢を強めています。しかし、春闘は要求実現をめざす統一闘争の軸であり労働組合が社会的に最も注目されるたたかいです。徳島労連は最賃闘争の強化、パート均等待遇、賃金底上げ闘争を軸に、賃下げ循環に歯止めをかける04春闘をたたかいます。全労連は、10月21〜22日に開催する単産・地方代表者会議において「04春闘構想」を提起します。また、「04国民春闘討論集会」を12月5〜6日に開催します。
 徳島労連は、これら全労連の春闘構想をうけて、幹事会並びに徳島県春闘共闘委員会・04春闘討論集会で方針の具体化をはかります。
 全労連は、04春闘にむけて、これまでとりくんできた「働くみんなの要求アンケート」とともに、新たに「仕事・生活実態アンケー調査」に取り組みます。「働くみんなの要求アンケート」は、これまで通り?生活実感、?賃金要求額、?制度政策要求を共通項目に、各単産・都道府県労連が独自目標を設定して大規模に推進し単産・地方組織の集計を全労連に報告し全国集約をはかるとしています。徳島労連はアンケートを組織の内外に積極的に広げ、アンケート集約は12月20日とし、遅くとも春闘方針を決定する中央委員会の開催資料となるよう最終集約を1月20日とします。
 「仕事・生活実態アンケート調査」は、全労連の政策や要求を策定する根拠とし、対政府交渉等の場で活用する基礎的資料を得る目的で、?賃金・収入構造などの生活実態と要求、?労働時間の実態、?雇用不安感、?働き方や健康状況などを調査します。全労連は、民間・公務各5千人を対象に、単産ごとの業種・事業規模を勘案した職場設定を行い要請するとしており、単産単位の集約となります。

2)リストラ反対、雇用を守るたたかい
 2004年4月から、全国144カ所の国立病院・療養所が独立行政法人に移行しますが、看護師をはじめとする7,500人の賃金職員の雇用継承が確定していません。徳島県内では、徳島病院、東徳島病院に約100名の賃金職員が雇用不安にさらされています。リストラ反対の拠点闘争に、国鉄闘争、NTT闘争に加えて国立病院賃金職員の雇用継承を位置づけてたたかいを展開します。
 国鉄闘争については、解決にむけた日本政府の責任を指摘した03年6月のILO結社の自由委員会の新勧告を生かしながら、政府との交渉テーブル作りの実現を追求します。全労連四国ブロックで隔月実施しているJR四国要請行動や国鉄利用者のアンケートなどを背景に成果を上げているJRの公共交通機関としての利便改善の闘いを統一し闘いを強化します。最高裁での逆転勝利をめざす要請署名、全動労勝たせる会の拡大をすすめます。
 「NTT11万人合理化反対闘争」では、50歳退職・賃下げ再雇用、違法・脱法の遠隔地、異業種配転などとのたたかいを、徳島で結成された「リストラに反対するNTT労働者を支援する会」と連携したたかいを展開します。
 国立病院賃金職員雇用継承のたたかいでは、「徳島県国立医療闘争委員会」と連携し、秋のキャラバンでの雇用継承を求める地方議会決議の促進、施設への請願・要請行動(毎月)、署名行動を組織してたたかいます。
「国鉄・NTT・国立賃金職員」の拠点闘争をたたかいながら、職場に労働法制の改悪を持ち込ませないたたかいを重視します。有期雇用の上限延長や裁量労働の緩和のもとで促進される若年定年制の導入や不払い残業の横行、派遣、契約社員、パートの増大に対して、事前協議制や同意協定の確立を追求して歯止めをかけていきます。最終年度を迎える「働くルール署名」の目標達成にむけ奮闘します。
 02年度中に労基署が是正指導した不払い残業は、全国で17,077件にのぼり、依然として「賃金泥棒」の企業犯罪が常態化している実態が明らかになりました。サービス残業の根絶にむけ、厚生労働省の「不払い残業解消対策指針」も活用して、すべての職場から、?労働時間を適正に管理するシステムの確立、?始終業時間の客観的な記録による確認、?超過勤務を前提とした業務体制の見直し、?複数の責任者によるダブルチェックなどを要求し、職場の点検活動を強めます。
 製造業などに限定されていた下請代金支払遅延等防止法と下請中小企業振興法(下請二法)が、役務の委託に係わる下請取引全般を包括するように改正されました。これらを活用し、労働者の雇用と権利、中小企業の営業と地域経済を守るたたかいを強化します。
 政府が骨太の方針第三弾に盛り込んだ「530万雇用創出プログラム」は、失業率を4%以下に低下させると想定していますが、女性の社会進出や高齢化による家事代行、食関連などの個人・家庭向けサービスの増加を目玉とするなど、裏付けのない机上のプランに過ぎません。緊急地域雇用創出金の拡充と活用など、地域からの雇用創出運動に引き続き取り組みます。
 6月27日に閣議決定した骨太の方針第三弾は、病院、学校、特別養護老人ホーム経営への株式会社参入や農地取得、幼稚園・保育所の一元化など重点12項目の規制緩和策を盛り込んでいます。政府の総合規制改革会議は、これも「構造改革特区」での解禁など地域限定・間接的な形での参入にとどまっているとして、さらなる全面的開放を求めています。国民生活の安全・安心を破壊する規制緩和に反対するとりくみを強めます。

3)公務員制度「改革」と市町村合併のとりくみ
 政府は、公務員労働者の労働基本権の制約を維持したまま、公務員制度「改革」関連法案を国会に提出しようとしています。また、行革推進事務局は「全労連をふくむ労働組合と誠心誠意話し合い、一致点を見出す」との交渉合意をサボタージュしています。
 徳島労連は、政官財癒着の温床である「天下り」の禁止、特権官僚優遇措置の是正、労働基本権確立など民主的公務員制度の確立を求め、政府に全労連との誠意ある労使交渉、労使協議機関の設置と全労連参加の実現を強く求めます。
 行政や企業に比べて力の偏在が著しい労働・消費者訴訟の抑制につながる弁護士報酬の敗訴者負担制度に反対するとともに、国民の裁判を受ける権利を保障し、正当な権利が実現・保障される司法制度の確立にむけたとりくみを強めます。
 骨太の方針・第三弾に盛り込まれた「三位一体の改革」は、国から地方への税源には踏み込んだが、社会保障・教育関係の国庫補助負担金4兆円の削減や、地方交付税の総額抑制が強く打ち出されています。市町村合併もいよいよ正念場を迎え、第27次地方制度調査会「中間報告」では、都道府県の合併と「道州制」も打ち出されています。
 また、通常国会で成立した「地方独立行政法人法案」は水道、自治体病院、保育所などの法人化を議会議決で自由にすすめることができるもので、自治体のあり方や公共性が問われています。すべての地域から自治体首長、議会、住民団体などと共同を広げながら、「どんな地域をつくるのか」の懇談、運動づくりにとりくみます。

4)年金大改悪、消費税増税阻止のたたかい
 政府が04通常国会で狙う年金改悪に反対するたたかいを、この1年の最重点課題に設定します。改悪は、さらなる保険料引き上げと給付削減を柱とし、同時に今後はいつでも政府の思いどおりに改悪できるシステムを導入しようとしており、これを許せば今後の年金闘争に重大な影響を与えます。広範な県民・諸団体とともに国民的なたたかいに発展させます。政府の改悪案に反対するとともに、「21世紀初頭の目標と展望」に向けた実践プログラムとして、最低保障年金制度の確立にむけた政策要求を対置し本格的な運動を開始します。
 最低保障年金(全額国庫負担による基礎年金部分)は、政府による公的扶助である生活保護基準(衣食・光熱費の全国平均69,110円)を勘案し、他団体との意見調整をふまえて設定します。当面するとりくみとして、?年金パンフの普及と学習運動、?個人・団体署名の推進、?「全国キャラバン行動」と結合した宣伝、労組・自治体・老人クラブなどへの申し入れなどを展開します。運動の前進をめざし、10月22〜23日の「年金闘争活動者会議」に代表を送ります。
 03年の発泡酒・ワイン、たばこ税の引き上げ、04年からの配偶者特別控除の廃止や消費税の中小企業特例の縮小に続いて、政府税制調査会の中期答申は消費税を10%以上に引き上げると明記し、大企業には減税する方向を打ち出しました。また、政府が骨太の方針第三弾に盛り込んだ「三位一体の改革」は、国庫負担金と地方交付税という社会保障と教育を支える二つの機能を切りすてる方向を鮮明にしています。
 徳島労連は、政府がたくらむ消費税などの庶民大増税に断固として反対し、消費税廃止徳島県各界連絡会と連携し、広範な団体との共同を広げながらたたかいをすすめます。

5)平和・民主主義の擁護、国政革新のたたかい
 有事法制発動阻止のたたかいを重点に位置づけ、「米軍支援法制」や「国民保護法制」反対の運動を広げます。「米軍支援法制」は、憲法に抵触する集団自衛権行使の突破をねらい、「国民保護法制」は民間企業や国民に戦争への協力を強制するものです。憲法改悪に反対する徳島県民懇談会や非核の政府を求める徳島の会、安保廃棄実行委員会、徳島県原水協、平和委員会、有事法制反対徳島県連絡会など、戦争反対、平和を願う組織と連携し、広範な共同の発展にローカルセンターとしての役割を発揮します。とりわけ、憲法改悪の動きが急ピッチですすめられつつあり、憲法9条を守る国民的運動が求められています。徳島労連は、憲法擁護の広範な戦線の構築めざし、県民過半数をめざす「憲法9条賛同署名」を大きく拡げます。
 政府と与党3党は、通常国会への上程を断念した教育基本法に関する協議会を発足させ、改悪法案を国会に提出する機会をうかがっています。教育基本法の改悪は、「愛国心」教育の強化など日本を戦争する国にするための人づくりをねらうものであり、日本国憲法の土台そのものを否定する重大な攻撃です。徳島労連は、全労連の大会で設定した重点課題に「教育基本法の改悪阻止」を補強し、広範な労働組合、教職員、民主団体、父母、国民との共同を重視しながら運動を推進します。
 政局は、年内解散・総選挙が必至の情勢を迎えています。財界が大企業のリストラ政策を支援する自民党などへの企業献金拡大を鮮明にしているもとで、労働組合が経済闘争と政治闘争をしっかりと結合してたたかう以外に労働者の要求の根本的前進はありません。自公保政権がいかに労働者の雇用と権利を破壊し、国民の暮らしといのちを危機に陥れているのか、実態をすべての労働者と率直に語り合い、労働者とその家族の積極的な投票を呼びかけます。
 国政選挙にあたっては、政党支持の自由を保障すると共に、?年金大改悪、消費税増税反対・社会保障の拡充?解雇規制法、労働者保護法の制定など人間らしく働くルールの確立?イラクへの自衛隊派遣反対、平和憲法擁護など、労働者の要求実現の立場に立っているかどうかを「政党選択の基準」とし、単産・単組・支部のとりくみを相互に交流・激励しながらたたかいます。政府・与党が企んでいる企業からの政治献金を拡大する「政治資金規正法」の改悪に反対するとともに、憲法に違反する政党助成金の廃止を求める運動を広範な団体と共同してすすめます。

6)組織拡大とローカルセンター機能の強化
 すべての組織(単産・単組・支部、地域労連)が組織拡大をあらゆる闘争前進の前提条件と位置づけ、次の重点を軸に全力をあげて追求します。?すべての組織が、組織の拡大・強化方針を確立し、組織拡大運動の具体化をはかります。?組織拡大推進基金(別途方針参照)を創設し、常設の労働相談センターとローカルユニオン(一人から加入できる地域労組)の早期確立をめざします。?秋(10月〜12月)と春(3月〜5月)に「組織拡大月間」を設定してとりくみます。
 今年度の達成目標として、?7地域組織・2万の組織確立めざし、組織減から組織増へ、?4月には常設労働相談センター並びにローカルユニオン・「地方共済会」の確立をはかります。

 全労連は2005年までに、?女性組合員が3割以上の単産・地方は30%、女性組合員が3割以下の組織は女性構成比率に見合った女性役員を配置すること、?専従役員が5名以上の組織は女性の専従役員配置を追求することを確認しとりくみを強化するとしています。徳島労連の役員にしめる女性役員比率は現在約13%ですが、積極的に女性役員の配置を追求します。また、単産、地域組織の各級機関で、次代の労働組合運動を担う青年活動家の育成を追求します。そのための学習活動の強化や組織の役員に青年を積極的に登用するよう努力します。